消滅時効の援用と信用情報について

「消滅時効の援用成功と信用情報（ブラックリスト）の関係」　

　借金の消滅時効の援用が成功すれば、信用情報（ブラックリスト）から抹消されますか？　　ローンが通るようになりますか？」

 

というご質問をよく、いただきます。

 

　※信用情報機関に対しては、司法書士は代理人ではありませんし、専門家でもありませんが、現在まで代理人として債権者の会社との確認作業をしてきた経緯からは以下のようになるのではないかと考えられます。

　

　債権者については「消滅時効の援用が成功」した場合、時効援用の代理人として、信用情報機関に登録申請したかどうかの確認までをすることはできます。

　

消滅時効援用成功後のＣＩＣ/ＪＩＣＣ等の情報は、直接ご本人で確認していただく必要がありますが、一般的にはおおむね以下のア・イのようになります。

 

　ブラックリストなるものは、存在しないのですが、消費者金融やクレジット会社が加盟している「信用情報機構」に延滞情報等が搭載されている場合に事故情報いわゆる「ブラックリスト」に該当するようです。

 

　時効の援用が成功すれば、法律上の支払義務は消滅します。

 

　　　　　　

　ア　ＪＩＣＣ（消費者金融等が加盟している）の場合

 

登録申請をしていた会社からの申請により、「該当なし」となり

通常はファイルごと削除されるようです。

 

いわゆる“ 「ブラックリスト」抹消 ”となります。※約1ケ月程度かかります。

 

※ただし、債権者側会社に「絶対的な登録抹消義務」はないので、「登録抹消はしない」という会社もごく一部（まれに）あるようです。

 

　イ　ＣＩＣ（クレジット会社等が加盟している）の場合

 

　　登録申請していた会社からは、CICに報告がされますが、「貸し倒れ」「完了」あるいは「契約終了」等の記載が残ります(残高は抹消されるようです）。

　

　この場合、原則として５年後に「ブラックリスト抹消」(信用情報からの削除）となるようです。

　　（短期間で抹消される場合も例外的にあります）。

 

☆　「クレジットカードの審査に通らない・ローンが組めないので信用情報記録を取ってみたら、ＣＩＣに延滞情報が載っていた」

　との理由で、「時効の援用」相談に見える方の中には、ＣＩＣのファイル抹消まで５年

かかるならと「時効の援用」をあきらめる方もあるようです。

 

〇　しかし、完済か時効の援用をしない限り、ＣＩＣの延滞情報が消えることはありません。

　しかも、年数が経過するごとに遅延損害金も増加して負債は膨らむ一方となります。

 

　時効の援用が成功すれば

　

☆信用情報搭載がＪＩＣＣだけの場合は、債権者側からの申請で、ファイル削除

により、１，２ケ月でローンが通るようになる可能性はあります。ＣＩＣの場合にも基

本的に５年経過すれば、ローンが通る可能性は高くなるといえます。

 

◎　時効の援用成功により、将来的に信用情報の回復と借金の消滅（支払義務の消滅）の効果を得ることができるのです。

 

☆信用情報については、法律で制定されたものではなく、専門家ではありませんので、詳しくは信用情報機関あるいは申し込みの金融機関ににご照会ください。運用についても変更になる場合があります。記載内容も保証はできませんので、信用情報機関へお問い合わせください。

　　

＊　「ローンの申し込みが通るようになりますか？」とのご質問を受けることが多いのですが

ＪＩＣＣ/ＣＩＣ等の情報がすべて抹消された場合でも、一般の与信審査があります。

 

　与信調査は、各金融機関によって基準が異なりますので（本人の勤務先・収入等によっても異なるようです）一概にＯＫとは言えません。

 

　★　ただ、「時効の援用」が成功すれば、いずれ信用情報から削除されることにより「ローン審査」ＯＫの可能性は高くなってくることは確かといえるようです。